有酸素運動について

最近有酸素運動で脂肪は燃えない、体脂肪率が上がる、体重減少は汗による水分減少と言っているトレーナーさんがいると話に聞きました。

私はそれを聞いて、物は言いようと答えたのですが相手は納得できないようでしたので私の考え方を少し述べさせていただきます。

上記の3つは嘘ではないのですが有酸素運動を否定する方向に比重を置いたキャッチ―な見出しでのみで「なぜ?」がないので、「物は言いよう」と答えたのです。

1つ目のなぜ?

有酸素運動で脂肪は燃えないのか?結果だけ言えば少しは燃えます。

その前に運動時のエネルギーの供給は「ATP-CP系」「解糖系(乳酸系)」「有酸素系」と3つの方法があり、無酸素で筋肉内に蓄えられたエネルギー燃やす「ATP-CP系」「解糖系(乳酸系)」と酸素を使って筋肉外に蓄えられたエネルギーも燃やす「有酸素系」に分けられます。

エネルギーの供給はADP(アデノシン2リン酸)とATP(アデノシン3リン酸)の合成と分解で生じるエネルギーで媒体をCP(クレアチンリン酸)、糖(グリコーゲン)、酸素を使うかの差です。

この時の有酸素系が燃やすものは筋や肝臓に蓄えられた糖や脂肪です。ここで皮下脂肪は燃えませんが脂肪自体はエネルギーとして使用されます。

有酸素運動を長時間行って体温が上がり皮下脂肪が血液中に溶け出しやすくなる事で脂肪燃焼と言われているのです。

直接皮下脂肪を燃やすわけではありませんが、有酸素運動を行わないと脂肪は減少しないでしょう。

2つ目のなぜ?

体脂肪率は上がるのでしょうか?一時的にですが体脂肪率は上がります。

しかし上がるのは率であり、量ではありません。

体脂肪率は「脂肪」と脂肪以外の「除脂肪体重」の比率ですので、運動で汗をかけば除脂肪体重に含まれる水分の減少に比例して脂肪の比率が上がるのです。

体重50s脂肪量10sだと体脂肪率は10/500.220%ですが、1s汗をかくと10/490.20420.4%と0.4%上昇します。逆に1s水分摂取すると10/510.19619.6%と0.4%減少します。ここまでならただの数字上のことですが、一般的に市販されている体内に微弱電流を流しその抵抗値から脂肪率を計算するインピ―タンス方式では体内水分が減少すると抵抗が上がり脂肪率を高く、水分量が多いと抵抗が下がって低く表示される機械的特徴があります。これを黙って体脂肪率が上がるというのは嘘ではないがフェアでもないと私は思いますけど

3番目については同意です。ただ体重を落とす=水分減少で脱水症状、熱中症にならないように気をつけてトレーニングをして下さい。